小規模保育園の職員数について~国の配置基準や緩和措置を徹底解説~
小規模保育園に配置される職員数は、子どもたちの安全と健やかな成長を支える重要な要素と言っても過言ではありません。
本記事では、2024年の最新情報を基に、小規模保育園の職員配置基準や緩和措置について詳しく解説します。保育の質と安全性を確保しつつ、保育士不足に対応するための取り組みについても紹介します。
小規模保育園とは
小規模保育園は、0~2歳児を対象とした定員6~19人の少人数保育施設です。2015年に始まった「地域型保育事業」の一環として、待機児童問題の解消を目的に設立されました。
対象年齢が0~2歳
小規模保育園は主に0~2歳児を対象としていますが、2023年4月の通達により、地域の事情に応じて3~5歳児の受け入れも柔軟に行えるようになりました。ただし、実際に5歳まで受け入れている施設は少ないため、3歳での転園を想定するのが一般的です。
家庭環境に近い保育環境
小規模保育園の特徴は、以下の点にあります。
- 定員6~19名の少人数制
- 子ども数名に対して保育士1名の手厚い配置
- アットホームな雰囲気
- 一人ひとりの発達に合わせたきめ細やかな保育
上記の特長から、家庭環境に近い状態での保育が可能です。
小規模保育園の職員数
小規模保育園の職員数は、国が定める「保育士の配置基準」に基づいて決められます。小規模保育園は、A型、B型、C型の3つのタイプに分類され、それぞれ異なる基準が適用されます。
国が定める基準
以下の表は、2024年現在の国が定める小規模保育園の職員配置基準です。
年齢 | 小規模保育園A型 | 小規模保育園B型 | 小規模保育園C型 | 認可保育園 |
---|---|---|---|---|
0歳児 | 保育所の配置基準+1名 | 保育所の配置基準+1名 | 3:1(補助者を置く場合、5:2) | 3:1 |
1歳児 | 保育所の配置基準+1名 | 保育所の配置基準+1名 | 3:1(補助者を置く場合、5:2) | 6:1 |
2歳児 | 保育所の配置基準+1名 | 保育所の配置基準+1名 | 3:1(補助者を置く場合、5:2) | 6:1 |
この表から、小規模保育園は認可保育園と比べて、より手厚い職員配置となっていることがわかります。
出典:厚生労働省「関係事業等の概要について」
自治体が定める基準
自治体によっては、独自の財源を活用してさらに手厚い保育士配置を行っているケースもあります。
例えば、東京都世田谷区の場合、1歳児は保育士1人に対して子ども5人(国基準は6:1)、横浜市の場合は保育士1人に対して子ども4人です。
地域によって基準が異なるため、居住地の自治体の情報を確認するとよいでしょう。
【具体例】小規模保育園の職員数の計算方法
小規模保育園A型で1歳児が12人いる場合の必要保育士数を計算してみましょう。
- 配置基準:6:1
- 計算式:必要保育士数 = 子どもの人数 ÷ 配置基準の子ども数
- 具体的な計算:12 ÷ 6 = 2
- 端数の処理:小数点以下を切り上げ
結果:2人の保育士が必要
この例では、1歳児12人に対して最低2人の保育士が必要となります。
職員数の規制緩和
保育士不足に対応するため、2016年に規制緩和措置が導入され、現在も継続しています。
ここでは、各緩和措置について詳しく解説します。
参考:こども家庭庁「保育所等における保育士配置に係る特例について(通知)」
朝夕の児童が少ない時間帯
朝夕の児童が少ない時間帯には、以下のような緩和措置が適用されます。
保育士最低2人配置要件のうち、1名を子育て支援員等に代替可能 。
具体的な時間帯:朝7時~8時、夕方16時~18時など(施設により異なる)
安全性確保のため、必ず1名以上の保育士は配置
この措置により、保育士の負担軽減と効率的な人員配置が可能になります。
幼稚園・小学校・養護教諭の活用
保育士資格を持たない教育職員の活用も認められています。
対象:幼稚園教諭、小学校教諭、養護教諭
条件:保育士と同等の知識・経験を有すると認められること
メリット:教育的視点を取り入れた保育の実現
この措置により、多様な経験を持つ職員による質の高い保育が期待できます。
子育て支援員の活用
子育て支援員とは、一定の研修を受けた保育補助者のことです。
必要な研修:子育て支援員研修(地域保育コース)
役割:保育士の補助、簡単な保育業務の担当
配置条件:保育士の配置基準とは別に配置すること
子育て支援員の活用により、保育士の業務負担軽減と保育の質の向上が図られます。
職員数の改善の動き
2023年12月に内閣府が公表した「こども未来戦略会議」の資料によると、保育施設の配置基準が次のように改善される予定です。
- 4・5歳児:30:1 → 25:1(2024年度~)
- 1歳児:6:1 → 5:1(2025年度~)
ただし、当面は経過措置として従来の基準での運営も認められており、各施設が状況に応じて柔軟に対応できるようになっています。
出典:内閣府「こども未来戦略における主な施策等について」
小規模保育園は手厚い保育が魅力の施設
小規模保育園は、国の基準を上回る職員配置や自治体独自の取り組みにより、子どもたち一人ひとりに寄り添ったきめ細やかな保育を実現しています。家庭的な雰囲気の中で、子どもたちは安心してのびのびと成長することができます。
本記事では、小規模保育園の職員数に関する最新の基準や配置改善の動き、そして職員配置から見える小規模保育園の魅力について詳しく解説しました。保育園選びの際は、こうした職員配置の特徴も考慮に入れ、お子さんやご家庭にとって最適な環境を選びましょう。
ぽとふ保育園は、小規模保育園の特徴を活かしつつ、独自の魅力にあふれた施設です。まるで第二のおうちのような温かい雰囲気で、子どもたちの笑顔があふれています。
子どもたち一人ひとりの「好き」や「できた!」を大切にし、保育士たちも子どもたちと一緒に成長しながら、温かく見守っています。毎日の小さな発見や成長を、ご家族の皆さまと一緒に喜び合える、そんなアットホームな保育園です。
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