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企業主導型保育園と認可保育園の違いとは?メリット・デメリットも解説

保育園を利用しようと検討中の保護者にとって、大きな心配ごとが「保活」です。「できれば保育料がお手頃で預かり時間が長い認可保育園がいい」と思っていても、認可保育園はなかなか入るのが難しいという実情もあります。

そんな働く保護者にとって、心強い味方になるのが企業主導型保育園です。最近増えている保育園の形である企業主導型保育園。認可保育園とはどう違うのか、メリットとデメリットについて企業主導型保育園を運営する弊社の視点からお伝えします。

この記事は以下の方におすすめです▼

  • 今後保活の予定がある方、現在保活中の方
  • 保育園の種類についていまいち違いがわからない方
  • 企業主導型保育園が気になっている方

この記事では以下の情報が得られます▼

  • 企業主導型保育園と認可保育園の違い
  • 企業主導型保育園の詳しい事情を運営側の視点で解説
  • 保育園選びのポイント

企業主導型保育園とは

企業主導型保育園とは

企業主導型保育園は、内閣府が2016年に始めた「企業主導型保育事業」により創設されました。名前の通り企業が保育園を運営するという形であり、比較的新しい保育園の形態でもあります。

そんな企業主導型保育園にはどのような特徴があるのか、少し掘り下げてチェックしてみましょう。

目的と背景

企業主導型保育園の主な目的は、「従業員の子育て支援と待機児童解消」です。保活を経験した保護者ならわかりますが、育休が明けていざ職場復帰しようと思ったとき、パートタイムから仕事を始めて社会復帰しようと思ったとき、まず悩むのが「子どもの預け先」です。

「保育園はどこもいっぱい。入ろうとすると点数が足りなくて待機児童になってしまった」という状況は、最近では都心部だけの話ではありません。この働く保護者の保活に対して、強い味方となってくれるのが、企業主導型保育園といえます。

特徴

企業主導型保育園は、名称にあるように「企業が設置する保育園」です。主にその企業で働く従業員の子どもが通う場所として作られており、認可保育園ではカバーしにくい夜間や休日などにも保育を実施し、会社付近に設置することで送迎の問題も解消してくれる特徴を持ちます。

通う子どもは、保育園を設置した企業の従業員の子が主体です。また、企業主導型保育園は共同運営も認められており、共同利用契約を結んだ企業の従業員も利用できます。こうした従業員が利用する枠を「従業員枠」と呼びます。

一方で、待機児童の解消を目的にしているため、近隣に住む子どもも通える「地域枠」があるのも特徴です。この「従業員枠」と「地域枠」についてはのちほど詳しくご紹介します。

設置基準

保育園には、大きく分けて「認可保育園」「認可外保育園」の2種類があります。このうち、企業主導型保育園は「認可外保育園」に分類されます。

認可が下りていないために不安なイメージもありますが、企業主導型保育園は国の助成金によって運営されています。そのため、国の定める設置基準をクリアしないと設置できません。

この設置基準は「認可保育園と同等」であるのもひとつの特徴です。認可保育園と企業主導型保育園の設置基準を比較してみましょう。

企業主導型保育園認可保育園
職員配置数・乳児……おおむね3人につき1人

・満1歳以上満3歳に満たない幼児……おおむね6人につき1人

・満3歳以上満4歳に満たない児童……おおむね20人につき1人

・満4歳以上の児童……おおむね30人につき1人

※上記の区分に応じた数の合計に「1」を加えた数以上の保育従事者を配置することが必要(最低2人配置)
・乳児……おおむね3人につき1人

・満1歳以上満3歳に満たない幼児……おおむね6人につき1人

・満3歳以上満4歳に満たない児童……おおむね20人につき1人

・満4歳以上の児童……おおむね30人につき1人
職員資格・保育従事者の半数以上は保育士資格を有していること

・その他の保育従事者にあっては、「子育て支援員研修」(地域保育コースのうち地域型保育)を修了した者(当該年度に受講を予定している者を含む)
保育士資格必須

企業主導型保育園と認可保育園の違い

企業主導型保育園と認可保育園には、違いがいくつかあります。大きな違いは「認可施設か認可外施設か」ですが、そのほかにも入園手続きの違いや保育料の計算が異なるため、それぞれの特徴を知っておきましょう。

従業員枠と地域枠

企業主導型保育園の持つ「従業員枠」と「地域枠」は、認可保育園にはない特徴です。

<従業員枠>

  • 保育園を設置した企業と、その企業と共同利用契約を結んだ企業の従業員の子どもが利用する枠

<地域枠>

  • 周辺地域に住む子ども

基本的に企業主導型保育園は「仕事をしている保護者向け」であるため、地域枠の利用では就労証明や保育認定が必要となる場合があります。また、地域枠は必ずしも設置するルールはなく、園によっては地域枠を設けないこともあります。

地域枠には上限があり、原則として定員全体の2分の1以下です。

受け入れ年齢

認可保育園の受け入れ年齢は0~5歳。これは自治体が設定しているため、固定された年齢です。一方で企業主導型保育園は園が自由に設定できます。認可保育園と同じ受け入れ年齢に揃える園もありますが、実態としては0~2歳児を対象とするところが多い傾向です。

保育料

認可保育園は、保護者の世帯収入と子どもの人数によって保育料が異なります。保育料は自治体が決定し、お住まいの自治体のサイトや等級表を確認するとおおよその料金がわかるでしょう。

企業主導型保育園は認可外保育園です。そのため保育園が決定することができますが、国から助成金を受けて運営しているため、認可保育園と同等の料金である場合が多くなっています。一般的な「認可外保育園は高い」というイメージは、企業主導型保育園の場合当てはまらないことも視野に入れておきましょう。

従業員枠で利用すると、企業が福利厚生として保育料を補助してくれることもあります。園によっては認可保育園よりも安くなることもあるようです。

特色ある保育サービス

認可保育園の保育内容は、変更や導入には自治体の許可が必要な場合が多い傾向にあります。どの園でもある程度保育の質は保たれており、特別な行事やカリキュラムがあるのは珍しいといえるでしょう。

企業主導型保育園は園が独自に保育サービスや内容を決めるため、自由度が高いのも特徴です。例えば英語やリトミックのレッスンを取り入れたり、モンテッソーリ教育や非認知能力を育む保育を実施していたりする園も見られます。

利用手続き

認可保育園でよく悩むのが、入園までの手続きの煩雑さです。認可保育園は自治体に申し込み、家庭状況を点数化して多数の希望者と利用調整をします。入園先が決定したら利用手続きを行いますが、待機児童になる可能性もゼロではありません。

企業主導型保育園は園に直接申し込むため、やりとりがスムーズです。たとえ定員が埋まっていても、どのような利用状況でいつからなら利用できるのかを問い合わせやすく、入園させやすいのも企業主導型保育園の特徴といえます。

企業主導型保育園を利用するメリット

企業主導型保育園を利用するメリット

企業主導型保育園を利用するメリットには、主に以下のようなものがあります。

  • 入園しやすい(保活の必要がないことも)手続きがスムーズ
  • 休日や夜間など、仕事に合わせて柔軟な利用ができる
  • 雇用形態に関わらず利用できる
  • 送迎しやすい立地やお迎えの連絡が取りやすいなど、仕事しながら通わせやすい環境
  • 保育料が安い場合もある。認可外保育園でも設置基準が高く安心できる
  • 特色のある保育サービスが受けられる園も多い

企業主導型保育園は、「仕事と保育を両立させやすい保育園」です。認可保育園ではさまざまなご家庭の園児と生活リズムを揃える必要がありますが、勤務先が「企業の就業時間や立地に合わせて設置した保育園」であるため、認可保育園ではできない手厚いカバーが期待できます。

特に保育園に通わせることに罪悪感のある方、保育と仕事の両立に不安がある方、雇用形態や仕事可能な時間を加味すると保活がうまくいかないという方におすすめです。

企業主導型保育園を利用するデメリット

反対に、企業主導型保育園を利用するデメリットには、以下のようなものがあります。

  • 現状は小規模保育園が多く、園庭やプール、大きなホールなど設備が足りないこともある
  • 対象年齢に決まりはないが、0~2歳までの受け入れが多く転園が必要になることも
  • 定員割れや運営状況の悪化により、閉園のリスクがある

メリットも多い企業主導型保育園ですが、デメリットもいくつかあります。まず小規模保育園が多いこと。少人数保育にはメリットもありますが、園庭やプールがない園も多い傾向です。受け入れ年齢が2歳までの企業主導型保育園も多いため、3歳からの進路は早めに考えておく必要があります。

企業主導型保育園についてよくある質問

企業主導型保育園について、よく聞かれる質問をチェックしていきましょう。気になる制度や類似した保育園との比較をご紹介します。

幼保無償化制度の対象ですか?

企業主導型保育園は、幼保無償化制度の対象です。ただし、従業員枠での利用でも対象年齢(3~5歳)になった時点で、自治体から保育認定を受ける必要があります。

保育認定については、こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化概要」をチェックしておきましょう。

事業所内保育所とは何が違いますか?

企業主導型保育園と事業所内保育所はどちらも「企業内の保育所」のため、同じ保育園と認識されることが多くなっています。しかし、事業所内保育所は企業主導保育園とは異なり、「認可事業」である点に注意が必要です。

事業所内保育園企業主導型保育園
目的保育を必要とする乳児、幼児を保育者の下から通わせ保育を行うこと従業員の多様な働き方を実現するため待機児童の解消
管轄厚生労働省内閣府
対象年齢0~2歳児企業が決定する
対象児保育認定2・3号認定、定員に応じて地域枠を設けることが義務従業員枠・地域枠
保育料高くない、無料化対象高くない、無償化対象
申し込み先自治体窓口に申し込む園に直接申し込む

企業主導型保育園も保活の候補に入れよう!

比較的新しいために「なんだか高そう」「保育の質が不安」と思われがちな企業主導型保育園。しかし、高い設置基準をクリアし国からの補助金によって運営しており、認可保育園とは共通する点も多い保育園です。また、保活で悩む保護者にとって「入園しやすい」のは大きなメリット。

雇用形態を問わない園も多いため、保活に迷ったら一度企業主導型保育園を視野に入れてもよいかもしれません。

小規模保育園ぽとふでは、今回ご紹介した企業主導型保育園も運営しております。横浜市戸塚区にある企業主導型保育園「びすけっと東戸塚」では、アットホームで細やかな少人数保育を実施し、働く保護者に寄り添って運営しております。随時見学も可能です。利用対象に当てはまる方は、ぜひお問い合わせをお待ちしております。

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