小規模保育園は園庭がない?気になる体力づくりやお散歩事情を解説
小規模保育園とは、原則0~2歳の子が通う少人数制の保育園です。認可事業となったため利用しやすいと今注目を集めていますが、小規模保育園は従来の保育園と異なり設備が足りないことが多い傾向にあります。
小さな子どもたちが多くの時間を過ごすにもかかわらず「保育園に園庭がない」というのは、気になる方も多いですよね。今回は小規模保育園を運営する当サイトの視点から、小規模保育園の園庭事情やお散歩について詳しく解説します。
この記事は以下の方におすすめです▼
- 小規模保育園の利用を検討している方
- 小さな子(3歳以下)の通う園での園庭遊び事情が知りたい方
- 小規模保育園の戸外活動を詳しく知りたい方
この記事は以下の情報が得られます▼
- 小規模保育園に園庭がない場合の対応
- 小規模保育園のお散歩事情
- 小規模保育園の実際の戸外活動の運用方法
ほとんどの小規模保育園には園庭がない
小規模保育園とは、少人数保育を行う保育園です。認可保育園とは異なり、園庭がなくても開園できるため、全国のほとんどの小規模保育園では園庭がありません。
まずは小規模保育園の概要について、また園庭の設置基準について詳しく見ていきましょう。
小規模保育園とは
2015年4月に施行された「子ども・子育て支援新制度」により、認可保育所となった小規模保育園。小規模保育園は従来の保育園とは異なり、
- 原則0~2歳の子どもが対象
- 6人以上20人未満の子どもを預かる
この2つが特徴的です。
また、小規模保育園の中でも規模感や保育士の人数によって3つの種類に分かれており、それぞれ違う特徴を持ちます。
A型 | B型 | C型 | |
対象年齢 | 0~2歳児 | ||
定員 | 6~19名 | 6~10名 | |
職員の配置 | ・0歳児:3人につき1人 ・1~2歳児:6人につき1人 ・上記それぞれに1人加えた数の保育従事者 |
・0~2歳児:3人につき1人の保育従事者 ・補助者を置く場合は0~2歳児5人につき保育従事者1人と補助者1人 |
|
職員の資格 | 全員保育士 | ・2分の1以上が保育士 ・保育士以外で必要な研修を修了した者 |
家庭的保育者及び補助者(一定の研修受講が必要) |
面積 | ・0~1歳児:3.30㎡/人 ・2歳児:1.98㎡/人 |
0~2歳児:3.30㎡/人 |
小規模保育園は特に多い0〜2歳児の待機児童解消を目的として制定されました。2024年4月には全国の小規模保育園で対象年齢を引き上げる通知がありましたが、現状では3歳以降を受け入れる園は少なく0~2歳が中心の保育園です。
小規模保育園A~C型いずれの場合でも、園庭の設置は必須条件ではありません。「これまで保育園として活用できなかったスペース」に開園することが多いため、ほとんどの小規模保育園では園庭がないと考えておきましょう。
ただし、乳幼児保育では戸外活動は大切です。どの園もお散歩や園庭に代わるスペースを利用して、外遊びや運動のカリキュラムを取り入れています。
小規模保育園の園庭の設置基準
小規模保育園の園庭について、現行の設置基準を紹介します。
■運動場・屋外遊戯場の設置及び設置場所等
<保育所基準>
- 満2歳以上の幼児を入所させる場合には、屋外遊戯場は原則設置(付近の公園等適当な場所への代替可)。
- 土地の確保が困難等の事情がある場合は、必要な面積があり、旣常的に使用できる距離にあり、利用時・移動時の安全が確保されていれば、屋外遊戯場に代わるべき場所は保育所と隣接する必要はない。
- 耐火建築物については、用地不足の場合は、一定の条件の下、屋上を屋外遊戯場とすることも可。
■運動場・屋外遊戯場の面積
<保育所基準>
入所者1人当たりの面積基準を規定。
- 満2歳以上の幼児1人につき3.3平方メートル以上
引用:内閣府 幼稚園・保育所の現行の基準適合状況(設備関係)
以上を参考にすると、園庭の設置は必須ではありません。近隣の公園や広場などで代用可能です。
0~2歳の体力づくり
小規模保育園に通うのは、0~2歳の子どもが中心です。小規模保育園では園庭が必要ないと聞くと、「子どもが過ごすのに運動不足にならないの?」と不安に思う方も多いかもしれません。
0~2歳の体力づくりには、いくつかポイントがあります。
- 0~2歳は体力・運動能力をつけるための土台を作る段階
- 運動の要素には大きく身体を動かす「粗大運動」と細かな動きを組み合わせた「微細運動」があり、これらをバランスよく取り入れることが大切
- 0~2歳では微細運動が中心
- 子どもの持つ興味や関心の赴くままに運動することが大切
園庭がないことに心配がある保護者も多いかもしれませんが、0~2歳の子は体力や運動能力を伸ばす活動はまだ必要としていません。そのため、保育園ではお散歩やボール遊び、遊具遊びといった簡単な戸外活動があれば十分だと考えておきましょう。
何よりも大切にすべきは、「四季を感じる」「動植物に興味を持つ」「天気によって気温の違いを感じる」といった五感に訴えかけるお外遊びです。0~2歳は情緒面の成長も著しいため、子どもの発達に合わせた戸外活動を用意したいですね。
園庭がない保育園での遊び
では、園庭がない保育園ではどのようにして外遊びを補っているのでしょうか。実際に園庭を持たない小規模保育園の運営より、代わりの遊びをご紹介します。
お散歩に行く
保育園でのよく見られる外遊びには、お散歩があります。まだ歩けない子はバギーやカートを使い、歩ける子は徒歩で先生と一緒にお散歩します。
お散歩のメリットは、
- 季節を五感で楽しめる
- 地域の人と交流できる
- 乗り物好きな子は電車やバス、消防車などを眺めて楽しめる
- 交通ルールの勉強や練習ができる
などが挙げられます。
小さな子でも園内にずっといると、遊びに飽きたりぐずってしまったりすることも。そんなときに良い気分転換になるため、お散歩は保育園の大切な戸外活動のひとつです。
近隣の保育園や公園、神社へ行く
周辺に公園や神社、広場などがあれば、そこを利用して遊ぶこともできます。事前に保育士が遊具の対応年齢や安全性を確かめていることがほとんどで、月齢に合わせた遊びを公園などで行います。
施設を利用した外遊びは、虫取りや植物の観察がゆっくりできることがメリット。園庭で遊ぶよりも公園遊びの方が幅広い楽しみ方もできるため、保育園に通う子どもにとっては適した遊びの場でもあります。
また、園によっては運動会などの行事を公園で行うこともあります。
室内のプレイジムやマットで遊ぶ
園庭がなくても室内にスペースがあれば、プレイジムやすべり台、マットなどで身体を動かすことも可能です。室内で行う運動や体操は、雨の日や気温が高くて外に出られないときにも安心できます。
ただし、園によってはスペースが狭く遊びが限られることもあります。
ベランダや駐車スペースを活用する
ベランダやテラス、駐車スペースなどで敷地内に余裕があれば、園によっては活用して戸外活動を行うこともあります。こうした屋外スペースでは水遊びやシャボン玉遊びなど、ちょっとした外遊びが楽しめます。
狭いスペースに思えるかもしれませんが、少人数の小さな子が遊ぶ場合はかえって大人の目が行き届き、安全なケースも多いです。園によってはできないこともありますが、園庭がなくてもこのように代わりを作ることはできます。
お散歩の安全対策
園庭遊びの代わりとなるお散歩や近隣公園での遊び。心を痛める事故が実際に起こることもあり、安全面が心配な方も多いですよね。
多くの保育園では細かいマニュアルを作成し、実際に保育士が現場を確認して万全の対策を取っています。ここからはお外遊びに不安が残る方に向けて、実際に行っている対策の一部をご紹介します。
事前準備
園外遊びの事前準備として、お散歩で使用するルートを保育士全員が下見をし、危険個所を確認します。職員間でも共有し、「この交差点は使わない」「この道は歩道が狭いから利用しない」と安全なルートを作成します。
また、お散歩に必要な持ち物もこの段階で考えることがほとんど。おもちゃや水分、休憩用のレジャーシートや防犯ブザー、緊急時の救急セットなども持ち物に含まれます。
散歩中
お散歩に行く場合、出発時と散歩中、園に戻ってからも何度も人数確認をします。歩くときや道路を横断する際は職員の配置場所が細かく決まっており、決められた配置場所・人数で移動します。
公園などに到着したら遊ぶ前にまず、子どもが触って怪我するようなものが落ちていないか、不審者がいないかなど安全確認を行うのが必須。その後、遊び始めてからも子どもたちの行動を見守りながら、危険と思われるところには必ず保育者が付いたり、近付かないよう知らせたりします。
緊急時の対応
緊急時とは、園児が公園や移動中などで怪我をした場合はもちろん、地震や事故が発生した場合などさまざまなケースを想定しています。このときの対応は職員で役割分担をし、近隣の病院や警察・消防との連携もしていることがほとんどです。
(参考:福島市園外活動ハンドブック)
ぽとふ保育園がよく利用する周辺施設
ぽとふ保育園は神奈川県内伊勢原・海老名・本厚木・愛甲石田・大和・茅ヶ崎・辻堂・平塚・綾瀬・さがみ野・かしわ台で小規模保育園を運営しています。県内全域では12園を開園。どの園でも園外活動に使用可能な周辺施設が充実しています。
- 近隣公園
- 小田急線や相鉄線(電車を眺める)
- 神社
- 田んぼ
- 地域の方が運営する田畑
- 厚木基地(飛行機を眺める) など
園庭はありませんが、このような戸外施設や地域の方のご厚意により、子どもにとって大切な外遊びを補っています。
電車や飛行機を近くで眺められる園もあるため、乗り物が好きな子どもにも喜ばれています。
小規模保育園は、園庭がなくても楽しく安全に遊べる!まずは見学してみよう
園庭がないことも多い小規模保育園。子どもの運動不足や体力低下を不安に思うかもしれませんが、園庭遊びの代わりに安全に遊べる戸外活動を用意しているため、実際は心配ありません。
何より0~2歳の子にとって大切なのは、お外遊びから受ける興味と刺激です。子どもの遊びたい意欲を大切に、適切なお外遊びができる小規模保育園を選んでくださいね。
小規模保育園ぽとふ保育園は園庭の代わりに、ご紹介したような安全に過ごせる戸外活動を取り入れています。神奈川県内で運営していますので、気になる方や周辺にお住まいの方は、ぜひ一度見学にお越しください。
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