お役立ち
情報

小規模保育園からの転園は大変?加点を狙って賢く保活しよう

2015年より始まった新しい認可保育制度の小規模保育園。少人数保育で充実したカリキュラム、0~2歳の保育に特化した保育園として、今注目を集めています。保活における重要な選択肢のひとつである小規模保育園ですが、3歳以降は幼児クラスのある保育園や幼稚園へ転入しなければなりません。待機児童が多い地域だと、特に「3歳の壁」として悩む保護者も多い傾向にあります。

そこで今回は、小規模保育園からの転園手段について、詳しい実情や転園時の加点についてご紹介します。小規模保育園が気になっている方、3歳からの保活ってどんな感じ?と知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

この記事は以下の方におすすめです▼

  • 小規模保育園の利用を検討している方
  • 小規模保育園からの加点・転園が気になる方
  • 3歳の壁を不安に思っている方

この記事では以下の情報が得られます▼

  • 小規模保育園とはどんな運営なのか
  • 小規模保育園からの転園手段
  • 小規模保育園転園で得られる加点の詳しい仕組み

小規模保育園を利用するなら知っておきたい「3歳の壁」

小規模保育園を利用するなら知っておきたい「3歳の壁」

小規模保育園とは、原則0~2歳の保育をする定員6~19人の小規模な保育施設です。3歳以降は他の保育施設に転園する必要があり、この保活をもう一度しなくてはならない大変さから「3歳の壁」とも呼ばれています。

まずは、小規模保育園とはどんな施設なのか、主な転園先や3歳から始まる保活について見ていきましょう。

小規模保育園とは

小規模保育園とは、

  • 原則0~2歳の子どもが対象
  • 6人以上20人未満の子どもを預かる

という特徴を持つ保育施設です。

2015年から認可保育事業となったため、小規模保育園は「国からの補助金を受けて運営する」「厚生労働省が定める基準を満たしている」ことが前提となります。保育料が認可外保育園と比べると安くなることもあり、「少人数保育でしっかり子どもの大切な時期を見てもらえる」と、今人気を集める保育園の形といえるでしょう。

特に0~2歳児は、待機児童になりやすい年齢です。保育園に入りにくい0~2歳の子どもを持つ保護者にとって、大切な選択肢のひとつとして注目を集めています。

参考:厚生労働省 小規模保育事業について

小規模保育園からの転園先

小規模保育園は「原則2歳まで」の預かりです。3歳以降は他の保育園・幼稚園など保育施設に転園する必要があります。

3歳以降の進路には大きく分けて3つの手段が考えられます。

進路認定・特徴
保育園2号認定保育時間が長く、小規模保育園と同じ時間の保育が可能
幼稚園1号認定保育時間が短く、夏休みなど長期休暇もある園によっては延長保育などが利用できる
認定こども園1号認定もしくは2号認定保育園と幼稚園の両方の特徴・機能を併せ持っている

また、小規模保育園では転園を前提としているため「連携施設」を設けるよう決められています。連携施設とは3歳以降に通う上記の保育施設であり、この連携施設に対して、

  1. 保育内容の支援…集団保育を確保するために相互行事への参加、給食の提供、健康診断の合同実施など
  2. 代替保育の提供…小規模保育園の職員が病気などによって保育を提供できない場合に、連携施設が代わって保育を提供する
  3. 卒園後の受け皿…小規模保育園卒園後の児童を連携施設にて受け入れる

3点の協力をするよう例示しています。

ただし、小規模保育園の卒園後の進路では「必ずしも受け皿が設定されている」というわけではないため、最低限の保活は求められます。また、連携施設が指定されている場合でも、任意の保育園や幼稚園に転園することは可能です。

参考:厚生労働省 家庭的保育事業等の連携施設の設定状況について

「3歳の壁」に注意

3歳の壁というのは、小規模保育園を卒園後に訪れる保活を指します。

0~2歳までを小規模保育園で過ごすということは、就労やその他の理由で保護者の保育が家庭では十分に行えないことを意味します。そのため、3歳からの保活は避けて通れないのが実情です。

3歳の保活とは、

  • 大きな園の3歳児クラスでは、2歳児が持ち上がりで進級するためそもそも空き枠がなく入れない
  • 働きながら保活をしなくてはならない
  • 転園したあとでも、親子ともに新しい環境に慣れる必要がある

など親子ともに負担が大きいものです。この困難を「3歳の壁」と呼び、3歳の壁を乗り越えるためには事前に転園の準備をしておく必要があります。

保活で大事な「点数」制度とは

保活で大事な「点数」制度とは

小規模保育園転園後には、認可保育園への転入を考えている方が多い傾向です。この認可保育園の選考は、家庭環境を点数化して行われます。

点数が高いほど「保育の必要性が高い」とされ、優先的に入園可能です。点数の細かい条件、点数そのものは自治体によって変わってくるため、お住まいの地域の点数制度をチェックしておきましょう。

ここからは、この点数制度について

  • 基準となる指数
  • 調整される指数(加点や減点など)
  • 優先順位の仕組み

をご紹介します。

基準指数

保活の点数は、正式には「指数」と呼ばれます。指数には3つの区分があり、指数の内容や基準は各自治体で異なりますが、区分だけは全自治体で共通しています。

保活の「点数」
その他の条件 調整点数 合計点数
母親(100点) 基準点数
(計200点)
父親(100点)

基準指数とは、母親・父親の就労条件(フルタイム勤務か、就学か)や健康状態(病気や障害など)などの保護者の基本情報を点数化したものを指します。

例:

  • 就業(週5日)/就業(週3~4日)/就職予定(求職中)/就学中もしくは予定
  • 病気により入院している/障害がある
  • 介護が必要な家族の有無

調整指数(加点・減点)

調整指数とは、家庭の状況に合わせて加点や減点などで調整をする点数を指します。

例:

  • 希望する保育園に兄弟が在園している…加点対象
  • 就労中で無認可保育園、ベビーシッターなどの利用実績がある…加点対象
  • 同居中の祖父母がいる…減点対象

この調整指数は一例です。

自治体によって内容が大きく異なるのは調整指数であり、加点と減点の内容項目が細かく設定されているところもあれば、5項目程度のシンプルな内容である自治体もあるなど特徴はさまざまです。後ほど神奈川県大和市の点数内訳をご紹介しますので、調整指数の参考にしてください。

優先順位

優先順位とは、同一指数の希望者がいた場合、入園できる子どもを決定するための順位付け、定義を指します。

例:

  • 自治体の居住歴が長い世帯を優先させる
  • 所得が低い世帯を優先させる

この優先順位は、自治体によっては公表されていないこともあります。

【事例】神奈川県大和市の点数

【事例】神奈川県大和市の点数

保活における点数や優先順位について、神奈川県大和市を例に見ていきましょう。

大和市では、大和市内在住者および調整指数の「保育士等」に該当する世帯を優先します。加点される状況をいくつかピックアップしました。

<基準指数>

  • 1か月の実労働時間が140時間以上…20点
  • 1か月の実労働時間が110時間以上140時間未満…18点
  • 1か月の実労働時間が90時間以上110時間未満…16点
  • 出産6週目の日が属する月から産後8週目の翌日が属する月までの期間にあって、出産の準備または休養を要する期間…14点
  • 居宅外で同居家族の付き添い介護が必要…20点
  • 居宅内で同居家族の付き添い介護が必要…16点

など

<調整指数>

  • ひとり親家庭等…最大25点
  • 保育士等…9点
  • 認定こども園で就労状況などの変化により2号認定での利用を規模する場合…5点
  • 兄弟姉妹が利用する保育所などの利用を希望する場合…1点
  • 多胎児(双子など)…1点

など

<優先項目>

  • ひとり親家庭…優先順位1
  • 育児休業明け…優先順位2
  • 生活保護世帯…優先順位3
  • 第三子以降…優先順位4

など

出典:令和5年度 神奈川県大和市 教育・保育施設等利用ガイド

上記の通り、保護者の就労状況や職種、兄弟などの利用状況によって点数は加点されます。情報は令和5年度時点のものなので、最新情報は大和市のホームページを確認ください。

小規模保育園からの転園を成功させるための3つのポイント

小規模保育園からの転園を成功させるための3つのポイント

点数制度について把握できたら、次は小規模保育園から転園するためのポイントをチェックしていきましょう。3歳の壁とも呼ばれる転園ですが、準備しておくと保活を成功させることはできます。

  1. 点数を正しく把握する
  2. 過去の保活の傾向を調べておく
  3. 加点できる方法を知る

この3つのポイントについて、一つずつご紹介します。

自分の世帯の点数を把握する

先ほどご紹介した大和市の点数表のように、一覧は自治体のホームページに掲載されています。状況がわかりにくかったり判断に困ったりする場合は、市区町村の窓口に行き、現在の自分の世帯点数を把握しておきましょう。

加点方法や減点方法、その点数などは年度によって変わる可能性もありますが、まずは前年度のデータをもとに見通しを立てておくことをおすすめします。

過去の傾向を調べる

認可保育園の倍率は、地域や園の人気によってかなり差が出ます。自治体によっては園ごとに倍率や点数のボーダーライン(何点あれば入れるかなど)を公表しているため、過去の傾向を良くチェックしておきましょう。

公表されていなくても、個別で問い合わせると教えてくれることもあります。実際に保活したママ友や支援センターのコミュニティからも情報収集は可能です。できる限りリアルな過去の傾向を調べてみましょう。

加点できる方法を探す

小規模保育園から転園する場合、「小規模保育園を利用した」という実績が加点になることもあります。さらに、大和市の例にもあるように認定こども園で1号認定で入園し、2号認定に変更すると加点される場合もあるでしょう。

一方で、内定辞退や保育料滞納などは減点対象になりやすくなります。できる限り加点できる方法を探し、早めの行動を心掛けましょう。

小規模保育園からの転園は、加点を狙って賢く保活しよう

待機児童になりやすい0~2歳の保育を行う、少人数保育の小規模保育園。小規模保育園のメリットは大きく気になる方も多いのですが、「3歳の壁」があり躊躇することもあるでしょう。しかし、保活の点数制度を知り認可保育園に入りやすい状況を知っておけば、事前に保活の準備ができ、転園もしやすくなるかもしれません。

小規模保育園は子どもにも親にとってもメリットが大きいので、気になる方は一度検討してみてください。

神奈川県伊勢原・海老名・本厚木・愛甲石田・大和・茅ヶ崎・辻堂・平塚・綾瀬・さがみ野・かしわ台にお住まいの方は、小規模保育園ぽとふの公式サイトも、ぜひチェックしてみてくださいね。

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事一覧