手足口病の対処法と病児保育利用について
「熱が出て、手のひらに赤い発疹も…。でも仕事が休めない…」そんな不安を抱える働くパパ・ママの声をよく耳にします。本記事では、手足口病で悩むご家族に向けて、症状や対処法、また病児保育の活用方法について分かりやすくお伝えしていきます。
手足口病の基礎知識
「手足口病かも…」そう感じた時、まず知っておきたい基礎知識をお伝えします。
手足口病とは
「手足口病って、一度かかったら二度とかからないんじゃないの?」 実はそれは大きな誤解です。異なるウイルスによって何度もかかる可能性があり、特に子育て世代の親御さんは要注意です。主な症状は以下の通りです。
主な症状:見逃せない4つのサイン
- お口の中の水疱・潰瘍
- 舌や頬の内側に小さな水疱が出現
- 痛みを伴い、食事が辛くなることも
- 手足の発疹
- 手のひらや足の裏に赤い発疹
- かゆみはあまりないのが特徴
- 発熱(37.5〜38.5度程度)
- 2〜3日程度で解熱することが多い
- 機嫌が悪くなったり、ぐったりすることも
- 食欲不振
- 口内炎の痛みで食事量が減少
- 水分摂取も難しくなることがある
また、感染経路については、下記の3つが主なものとなっています。
感染経路:3つの主要な経路を知っておこう
- 感染者の唾液や鼻水との直接接触
- 感染者の便との接触
- 感染者が触れた物(おもちゃなど)を介した接触
次に、手足口病がどのような経過をたどるのか詳しく解説します。
手足口病の経過と回復期間
手足口病は感染から発症までの潜伏期が3〜6日間あり、その後、特徴的な経過をたどります。最初に37.5〜38.5度の発熱と喉の痛みが現れ、続いて口の中に水疱ができ始めます。発症2〜4日目には手のひらや足の裏に水疱性の発疹が出現し、この頃が症状のピークとなります。
発熱は通常3日程度で解熱し、発疹や口内炎の症状も5〜7日程度で徐々に改善していきます。全体的な経過は7〜10日程度ですが、便からのウイルス排出は数週間続くことがあります。また、回復後1〜2カ月して爪に横線(ボーの線)が現れたり、爪が脱落することもありますが、これらは自然に改善します。
個人差はありますが、発熱が治まり、普通に食事ができるようになれば、保育園への登園も可能となります。全身状態の回復を見ながら、徐々に日常生活に戻していきましょう。
登園基準と判断のポイント
「熱は下がったけど、まだ発疹が残ってる…」。このような場合は登園させて良いか、悩むものですよね。実は、手足口病の登園基準は意外とシンプルです。全身状態が良好で、普段通りの活動ができれば、OK。発疹が残っていても、それだけでは登園を控える必要はありません。
手足口病の子どものケア
口の中が痛くて、「ごはんも水も飲めない」というお子さんも多いのではないでしょうか。でも、ちょっとした工夫で随分と楽になります。ここからは、ママ・パパにできるケアを具体的にご紹介します。
自宅でのケア方法
手足口病でお子さまが最もつらい症状は、口内炎による痛みと食欲不振です。特に食事や水分補給に苦労する方が多いのですが、実は食材選びと温度管理で随分と楽になります。
まず、食事は冷たく柔らかい物を中心に考えましょう。アイスクリームやシャーベット、冷やしたゼリーなどは、痛みを感じにくく食べやすい定番です。お粥やうどんなどの柔らかい主食も、少し冷ましてから提供すると口当たりが良くなります。水分補給は常温を避け、氷を細かく砕いて少しずつ摂取させたり、スポーツドリンクを凍らせてシャーベット状にするなどの工夫が効果的です。
医師に処方された口腔内の塗り薬は、食事の前に使用すると痛みが和らぎ、食べやすくなります。また、清潔なガーゼで口の中を優しく拭いてあげることで、不快感も軽減できます。酸味の強い物や刺激物は避け、お子さまの好みに合わせて食べやすい物を探っていくことが大切です。
これらの工夫を組み合わせることで、つらい症状の緩和と早期回復をサポートできます。特に脱水予防が重要なので、少量でも頻繁に水分を取るよう心がけましょう。
家族内での二次感染予防
「上の子が手足口病になっちゃった…赤ちゃんにうつらないか心配」そんな不安を抱えるママ・パパも多いですよね。実は、家庭内での感染を完全に防ぐのは難しいものの、適切な対策で感染リスクを大きく下げることができます。
最も効果的なのは、こまめな手洗いです。特におむつ交換後は要注意。使い捨て手袋を使用し、処理後は必ずせっけんでの手洗いを忘れずに行いましょう。タオルやコップは家族それぞれの物を用意して、共用は避けます。よく触れるドアノブやおもちゃは、アルコールか次亜塩素酸で消毒をしてください。食器は熱湯消毒が効果的です。
手足口病は、症状が治まった後も、2〜4週間程度はウイルスが排出され続けることがあります。しかし、これらの基本的な予防策を続けることで、大切な家族を感染から守ることができます。焦らず、できることから始めていきましょう。
手足口病と病児保育
「手足口病になったけど、仕事が休めない…」 「病児保育って、本当に預かってもらえるの?」
そんな不安を抱える働く親御さんも多いはずです。実は、手足口病でも症状や経過によっては病児保育を利用できる場合があります。医師の診断と適切な判断があれば、お仕事との両立も可能です。
発熱が落ち着き、水分や食事が取れるようになれば、多くの病児保育施設で受け入れ可能です。むしろ手足口病は、施設での対応実績が豊富な感染症の一つです。経験豊富な看護師やスタッフが、お子さまの体調を見守りながら、楽しく過ごせる環境を整えています。
ただし、施設によって受け入れ基準は異なります。事前に利用を検討している施設の基準を確認し、かかりつけ医とも相談しながら、お子さまと仕事、両方に無理のない選択をしていきましょう。このあとは、具体的な利用のポイントをご紹介します。
病児保育の利用基準
手足口病で悩むパパ・ママの一番の関心事は「いつから預けられるか」ですよね。実は、手足口病の場合、以下の3つの条件が整えば、多くの病児保育室で受け入れ可能です。
【受け入れ可能な状態の目安】
- 発熱が37.5度以下に解熱している
- 口内炎の痛みが和らぎ、水分や食事が摂取できる
- 機嫌が良く、全身状態が安定している
ただし、「まだ預けるのは早いかな?」というケースもあります。
【受け入れが難しい状態】
- 38度以上の発熱が続いている
- 強い口内炎で食事摂取が困難
- ぐったりして機嫌が悪い
- 発疹が多く、痛みを伴う場合
お子さんの状態をよく観察し、病児保育の受け入れ基準を確認しながら利用するようにしましょう。
病児保育利用時の準備
病児保育の利用時に必要なものは、医師の診断書(または意見書)と普段のお薬です。事前に施設に連絡して、当日の受け入れ状況も確認しておくとスムーズです。
大切なのは、無理のない範囲で利用することです。お子さまの回復具合を見ながら、仕事との両立を考えていきましょう。病児保育のスタッフは、感染症のケアに慣れているプロフェッショナルです。安心してお預けいただけます。
病児保育施設での感染対策
病児保育施設では、医療機関と同等の感染対策を実施しています。最も重要な「ゾーニング」では、感染症の種類や症状に応じて保育スペースを区分けします。手足口病のお子さまは個室で保育を行い、他児との接触を防ぎます。
看護師が定期的に健康観察を行い、体調の変化にも迅速に対応します。使用したおもちゃや備品は、医療用の消毒薬で徹底的に消毒しますし、スタッフは子どもごとに手洗い・消毒を行い、エプロンやマスクも使い分けています。
また、施設内の換気を徹底し、室温や湿度も管理しています。感染リスクを最小限に抑える環境を整え、医療と保育の専門家による二重のケアによってお子さまを安全に見守ります。
まとめ:病児保育ぽとふのご案内
「明日は大事な会議なのに、子どもの具合が悪い…」そんな時に心強い味方となるのが病児保育室です。
病児保育室ぽとふは、綾瀬市を中心に、神奈川県央5市1町1村(厚木市、大和市、海老名市、座間市、綾瀬市、愛川町、清川村)にお住まいの方々にご利用いただける施設です。生後6カ月から小学校6年生までのお子さまをお預かりしており、平日の8:30〜17:15まで開室しています。
利用料金は、1日2,000円になります。触れるドアノブや玩具はなお、生活保護世帯や市民税非課税世帯の方は料金免除制度もありますので、ご相談ください。
ご利用には事前登録が必要となります。利用登録申込書、利用申込書、同意書などを公式サイトからダウンロードし、ご記入の上、直接来所か郵送でお手続きください。見学も受け付けていますので、お気軽にお立ち寄りください。
事前登録が済みましたら、利用希望日の前日までに予約のお電話をください。専用ウェブページで空き状況もご確認いただけます。
利用当日は、医療機関で記載済みの診療情報提供書をご持参ください。お着替え、タオル、おむつなどの必需品とともにお持ちください。食事やおやつは施設でご用意しますが、アレルギーをお持ちの場合は事前にお申し出ください。お薬が必要な場合は、医師の指示書をお願いします。
参照URL:病児保育室ぽとふの利用案内
急な体調不良でお困りの時、病児保育室ぽとふが少しでもお力になれれば幸いです。特に共働きやひとり親の方々にとって、心強いサポートとなれるよう、スタッフ一同、温かなケアを心がけています。いざという時のために、ぜひ事前登録をご検討ください。
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